メジャーキーでサブドミナントマイナーと呼ばれる機能を持ったコードがよく使われます。これはセカンダリードミナントで解説しました他のキーからコードを借りてくる概念で使用します。

それではどこから借りてくるのでしょうか?サブドミナントマイナーは、同主調からコードを借りてきます。つまりマイナーキーのダイアトニックコードから借りてくるのです。

メジャーのダイアトニックコードだけでは表現出来ない切ない感じを演出することが出来ます。

マイナーキーのダイアトニックコード

以下の画像はマイナースケール上に出来るダイアトニックコードです。

マイナーのダイアトニックコード

メジャーキーの時と同じような感じで、それぞれトニックマイナー(TM)、サブドミナントマイナー(SDM)、ドミナントマイナー(DM)といったコード機能を持ちます。

サブドミナントマイナーのコード機能

サブドミナントマイナーはサブドミナントと同じ感じで使うことが出来ます。つまりトニックにもドミナントにも進行出来る性質があります。

それぞれのコード進行の例を挙げます。

コード進行 C-F-Fm-C

トニックへ進行する例。サブドミナントからサブドミナントマイナーへの進行は大変よく使用されます。後にトニックのCなどソの音を含むコードを配置すると、ラ-ラ♭-ソといった流れのクリシェを作ることが出来ます。

コード進行 C-Fm-G7-C

ドミナントへ進行する例です。

サブドミナントマイナーの代理

代理コードの概念はマイナーのダイアトニックコードでも同じように扱うことが出来ます。分類は前記のダイアトニックコードの通りです。

つまり前項のコード進行は、以下のようにすることも出来ます。

コード進行 C-F-Ddim-C

コード進行 C-Bb7-G7-C

VIbM7、VIIb7がサブドミナントマイナーになる理由

疑問に思った方もいるかもしれませんが、メジャーキーと比較するとサブドミナント(マイナー)が2つ増えています。これはマイナースケールの第6音(メジャーキーから見ると半音下がった音)が、サブドミナントマイナーを特徴付ける音だと考えられているからです。前記の譜面のダイアトニックコードをよく見ると、4つのサブドミナントマイナーには全てラ♭の音が含まれています。