循環コードはその名称通り繰り返し循環して使えるコード進行のことです。トニックから始まって、いくつかのコードを経てそのトニックが再びやってくるまでのひとかたまりです。一般的には4つないし8つのコードのかたまりです。

循環コードの代名詞と言っても過言ではないパターンに次のものがあります。

C-Am-Dm-G7

コードを鳴らしてみると、どこかで聴いたことがあると思います。G7のドミナントを経て最初のCに戻り、また次のAmへ…といった感じで循環します。ディグリーではI – VIm – IIm – V7となってますが、この度数をもって1625と呼ばれています。

作り方

1625はコード機能としてはT – T – SD – Dとなりますが、これの組み合わせ方でも様々なパターンが出来ます。すごく基本的なT – SD – D – Tや、以前紹介しました本来は良くない進行とされるT – D – SD – Tも循環コードとなります。

そしてこれまで代理コードセカンダリードミナントなどの概念をご紹介しましたが、これらを使ってたくさんのパターンが出来ます。例えば前述の1625を元に、セカンダリードミナントを使って以下のように変えることも出来ます。

C-C7-F-G7

禁則進行

コード進行を考える上で、前述のT – D – SD – Tの他にも良くないとされている進行がありますので、ご紹介します。以下のようなものです。

  1. Ⅲm – I または Ⅵm – I
  2. Ⅱm – Ⅳ
  3. Ⅲm – Ⅴ

上記を見てピンと来た方もいるかもしれませんが、どちらも代理コードから主要三和音へ進行しています。これが良くない進行とされています。元のコードから派生したものへの進行は退屈感を払拭出来る作用がありますが、派生したものから元のコードへの進行は、不意打ちを食らったような感じで気持ち悪い流れとされています。

ですがドミナントからサブドミナントへの進行と同様、現在ではこういった進行も通常の進行程ではないにせよ使われていますので、メロディや編曲も含めてその楽曲の雰囲気に必要なコード進行ならば採用するべきだと思います。

上記IIIm – Vについて、以前代理コードの解説でIIImはトニックの代理と扱いましたが、厳密にはいくつかのコードはその他のコード機能とも解釈も出来て、これもそれに該当します。四和音でIIIm7と考えた時、V7と3つ同じ音があります。ソとシとレです。

逆循環コード

トニック以外から始まるコード進行のことで、一般的にはサブドミナントから始まるコード進行です。1625を真ん中で分割して入れ替えると2516になりますが、前後が逆になることから逆循環コードと呼ばれています。

トニックから始まらないため、耳コピをしてキーを探る際、慣れていない方は何のキーなのか正解に辿り着くのに少し苦戦することもあると思います。

逆循環にはJ-POPで頻繁に使用される、王道進行というコード進行がありますので、ご紹介します。

F-G-Em-Am

大逆循環コード

パッヘルベルのカノンで有名なコード進行は大逆循環コードと呼ばれています。なぜ大逆循環と呼ぶのかは調べてみましたが分かりませんでした。分割すると、後半は逆循環コードになっています。

C-G-Am-Em-F-C-F-G7